Out in the pasture under Phew tree
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2026/03/31
”「いつでも、あなたは話を結びつけたがるわね!」”
(p.108)
建物の断面図の絵を見るのがすきです。
それぞれの部屋の内装、そこにいる人たちの様子を、ひとつひとつ見ていきます。
「ホテル」が出てくる物語に手を伸ばしてしまうのも、そうしたことと似ているのかもしれません。
この本に出てくる「ホテル・バルザール」には、たくさんの線や点で描かれた緻密な模様と植物の柄があちこちに施されています。
それらが同じ空間で組み合わさって、登場人物の心情や声の調子を浮かび上がらせているようで、どの絵の前でもついめくる手を止めて、引き込まれるひとときを過ごします。
先日、絵本の読み聞かせをしてもらったときのことが、主人公のマルタと重なります。
「この、いいお話を」と、読み手のおじいさんからやさしい時間を渡され、なんだか頭をなでてもらっているかのようでした。
「わたしも一緒に、今このお話をたどっていますよ」
そう伝わってくると、ほのかな心強さが灯ります。
多くの人がその題名を知る本ではないのかもしれませんが、心のどこかでこの物語を待っている人のもとへは届く本、というきがします。
「これからも、たくさんのお話を聞きなさい」
鍵となる人物である伯爵夫人から、そんなメッセージを受け取ったようで、それが何よりうれしいことでした。
あなたさまにも、きっと物語がありますね。
いつか聞かせてください。
Kokage
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【ホテル・バルザール】
ケイト・ディカミロ
ジュリア・サルダ◎絵
横山和江◎訳
[The HOTEL BALZAAR]
by Kate Dicamillo and Júlia Sardà
発行◎偕成社
ISBN 978-4-03-521580-6