Out in the pasture under Phew tree
X:https://x.com/kokage_phewtree
2025/10/19
”なにかひどくおかしなことが
起ころうとしていた。”
(p.4)
こんにちは。
わたしのすきな本について、手紙を書きます。
最近出会ったものではありませんが、もし主人公の彼をご存知ないようでしたら、ぜひお会いになられることをお勧めします。
彼の名前はツリーホーン、小学生くらいの男の子です。
彼を取り巻く世界はとってもおしゃれで、彼や周りの人たちの洋服、彼が住む家、そのほかあちらこちらに素敵な模様がさりがなく施されており、わたしは彼の「ひどくおかしなこと」がきになりつつも、それらの模様にいつもじっと見入ってしまいます。
はじめてこの本を手に取ったとき、読みおわってすぐにわたしは彼を師匠と呼ぶことに決めました。
「ひどくおかしなこと」の中でも一貫して「ツリーホーン」であった彼の佇まいに、惹かれずにはいられなかったのです。
見た目は可愛らしい男の子ですが、もしそばにいられるとするならば、そのときはきっと彼のことを頼もしく感じると思います。
「ひどくおかしなこと」は、ツリーホーンにどのように映っているのだろう、と考えることがあります。
「いつかはそんなことが起こるんじゃないかと、思っていたよ」
そんな答えが返ってくるようなきがします。
数日前、ふたりで連想ゲームをしている映像を見ました。
お題から各自が連想するものを同時に発表し、同じものを連想したかどうかを確かめます。例えば、『和食といえば?「お寿司!」「おそば!」』というように。
答えが違っていれば「どうしてよ!」と互いを批判し、同じであれば盛大に喜びを分かち合うのですが、どちらの場合であっても大盛り上がりで楽しそうにする姿に、見ているこちらまで思わず笑ってしまうほどでした。
日々の中でも、相手と自分の考えのちがい、思いのちがいを、こんなふうに楽しめることが増えたらどうだろう、と想像します。
同じものを前にしていたとしても、それに対して自分の中に湧き上がるものは人それぞれです。
そう知っているけど、でも相手と噛み合わなくて不安感じる自分に、
「いつだってこんなものだから、大丈夫」と、ひと声かけられるといいなと思います。
相手に伝えておきたいことは、それから伝わるよう試行錯誤するのでも間に合うことが、実は結構多いのかもしれません。
ちょっとずつでも師匠のツリーホーンに近づきたい、と思うのです。
クセがあるけれど愛らしい、わたしが深い信頼を寄せるツリーホーン。
あなたさまがもしお会いになることになったとき、彼のことをどのように感じられるのでしょうか。
興味があります。
Kokage
---
【ツリーホーン、どんどん小さくなる】
フローレンス・パリー・ハイド
エドワード・ゴーリー◎絵
三辺律子◎訳
発行◎東京創元社
ISBN 978-4-488-01144-4